人生で初めての引越し

私は3年前の5月に、人生で初めての引越しをしました。 引っ越すきっかけは、当時付き合っていた恋人(今の夫)が、 転勤で地元の仙台を離れて東京に行く事になり、遠距離恋愛に自信のなかった私が、 思い切って着いて行こうと決意した事からでした。

私自身の事情で引っ越す訳ではなかったので、引っ越すにあたり仕事を辞める事や、 それまでは実家暮らしだったので親元から離れる事に関しては心配や反対もされました。 しかし、私は1度決めた事は突き通すタイプの人間なので、なんとか周りを説得し、 引越しをするに至りました。 しかし、私の初めての引っ越しは“引っ越しらしい引っ越し”ではありませんでした。

というのも、心配をした両親が車で私と一緒に荷物も引越し先まで乗せて行ったからです。 この時すでに恋人は先に入居していた事もあり、私の荷物は自分の服などしかなく、 車でも容易に運べる量でした。 普通、引っ越しと聞くと、荷物が多いので引っ越し業者を使って行うイメージがあったので、 いまいち引越しをするという気持ちにはなりませんでした。 また、荷物もダンボールに詰めたのではなく、大きめの紙袋に入れただけだった事も、 実感が持てなかった要因だと思います。

引っ越して数日間は、初めての場所や生活に興奮をして楽しいと思う事ばかりでした。 しかし、何日か経った時にホームシックのような状態になりました。 親元を離れて初めてわかる事が本当にあるのだと、 この引越しを通して気付く事が出来たので良かったと思います。

羨ましかった一人暮らし

学生時代は大学までずっと実家から通っていたため、ひとり暮らしというものに縁がありませでした。 大学のころはひとり暮らしをしている友人の家へ遊びに行き、パーティーをしたり、 寝泊りしたり、ギターを弾いたりと、 自由気ままに過ごすことのできるひとり暮らしにとても憧れていました。

なにより、「今日は何時に帰ってくるの?」「ゴハンはいるの?」「誰と遊びに行くの?」 と親に干渉されない暮らしが羨ましくてたまりませんでした。 社会人になり、自宅から通える会社に就職したものの、 仕事が忙しく終電ギリギリの生活が多くなったある日、ひとり暮らしを決意しました。 何年も一緒に暮らしていた父親は、嫁に行くわけでもないのに既に涙目で、 反対しつつも結局は物件を納得いくまで物色して承諾してくれました。

小さな引越しなので荷物が少なかったこともあり、軽トラの運送屋さんにお願いしました。 初めてのひとり暮らしだったので、たこ焼きパーティをしたり、飲み会をしたり、 色んなことをしたいなぁと夢を膨らましながらいざ生活をスタートさせると、まず大問題発生。

ごはんが作れない。小学生のころも、調理実習のときは悪知恵を働かせて、 家で家事をしている女の子に調理をしてもらったり、家では料理というものをしたことがなかったので、 出来る方がおかしい状態でした。

「簡単にできる初めてのごはん」といった初心者にでもできる料理本を買ってきて調理したものの、 不器用なのか写真と同じものが出来たことはなく、 コンビニ弁当を毎日食べるほど裕福ではなかったので、早々に諦め、 冷凍うどんをゆがくだけの日々がスタートしました。

憧れだったひとり暮らしでしたが、結局のところ、忙しくてパーティーどころでなかったり、 うどんだけしか食べなかったので体重が激減したり、夜ひとりで寝ることがとても寂しかったりと、 憧れていた華々しい生活とはかけ離れたものでした。 親の干渉さえも恋しく思え、自分がいかに甘えていたかを痛感しました。

今は結婚して家を出ましたが、家を出る前に、自分の甘えや未熟さ、 親のありがたみをきちんと身をもって実感できる「ひとり暮らし」を体験できたことは、 私の人生にとって大きなプラスになったと思います。

期間限定の一人暮らしで自由な時間

私は兄弟4人の2番目で、私以外は男ばかりの家族。 一番下の弟は、まだ保育園でした。 学校に行きながら、幼かった弟の世話、家事全般をこなすのは大変でしたね。 社会人になってすぐ彼(今の主人)ができましたが、3年位経った頃結婚の話が出ました。

でもまだ弟が高校生で毎日お弁当だったので、卒業するまで待ってもらいました。 でも、ようやくその期間が経過したとき、ふと思ったんです。 ずっと家族の世話に明け暮れた私の青春時代。 このまま結婚したら、一緒に住む人がただ変わるだけ。 ちょっとだけ自由な時間がほしい! 父親と彼に理解を求め、半年だけ一人暮らしをさせてもらうことにしました。 アパートを借り、結婚後もそこに2人で住むという設定で話が成立。

自分のお気に入りのインテリアなど、1つ1つ揃えていくのは本当に楽しかったですね。 一人暮らしは実に自由であり快適そのもの、たまに彼が遊びに来るというパターン。 そういえば1つ思い出があります。 年末に遊びに来た彼が突然熱を出し、3・4日の看病後に治ったのは既に年明け。

今度は私に風邪がうつってしまい、仕事始めに出勤できず。 同じ職場だったため、一緒に休むのはまずいということで彼は出勤。 うつされた私は一人アパートで苦しんでいました。 今だから笑えますが、何かひどい話ですよね。 この一人暮らし、期間限定でしたが何にも代えがたい貴重な経験ができたと思っています。